ビットコインなどの仮想通貨は、仮想のお金ということで資金洗浄(マネーロンダリング)等の犯罪に利用されやすいと言われているのを耳にする。
先日、ビットコインで40億ドル超を資金洗浄(マネーロンダリング)したロシア人逮捕されたというニュースがあった。
- 資金洗浄(マネーロンダリング)とは?
- ビットコインは資金洗浄(マネーロンダリング)に悪用される?
- ビットコインでマネーロンダリングをした男性が逮捕
- 世界で広がる仮想通貨のマネーロンダリング対策
- ブロックチェーンの技術について
資金洗浄(マネーロンダリング)とは?
麻薬などの犯罪行為で得た不正資金、賄賂(わいろ)、テロ資金など口座から口座へと転々とさせ、資金の出所や受益者をわからなくする行為。 口座を転々とするうち、不正資金が正当な資金のように洗濯(ロンダリング)されてしまうことから、こう呼ばれている。 この資金ルートの解明は組織犯罪の予防、撲滅には不可欠。
マネーロンダリング(まねーろんだりんぐ)とは - コトバンク
ビットコインではありませんが、実際のお金の資金洗浄(マネーロンダリング)で有名な事件として「パナマ」文書事件がある。これはパナマ文書が明るみになったので大きな事件として扱われたが、もしも明るみにならなければ、今でも公に知られることはなかった。
♯パナマ文書 pic.twitter.com/DaMUDSVqjR
— leviaboa (@leviaboa) 2016年4月6日
ビットコインは資金洗浄(マネーロンダリング)に悪用される?
仮想通貨のやりとりはデータが必ず残る
仮想通貨は、「仮想」という現実に存在しないお金ということで怪しさもあると思う。しかし、ビットコイン等の仮想通貨は取引の記録が全てデータに残る。
僕たちが現実のお金を手渡しで渡せば記録には残らない。従って、行方をわからなくすることも可能。例えば、1万円をあなたから家族に手渡しで渡せば、どこにも記録が残らない。だが、ビットコインなど仮想通貨のは違う。仮想通貨は実態がないだけにデータのやりとりになるので必ず記録が残る。
ビットコインのマネーロンダリングリスクが低いと言われている理由は、ブロックチェーンという技術で取引履歴の全てが記録され、世界中の人が追跡できることにある。つまり、ビットコインの仕組み自体が、マネーロンダリングに向かないのだ。
また、今年の2017年4月から仮想通貨に関する新たな法律が施行されている。これにより、取引所の設置基準、利用者の本人確認等が徹底されるようになった。取引所が一種の関所になったことで、不正な資金の動きを後から追跡することが可能になり、必要に応じて警察のサイバー犯罪課に情報を提供することも可能になっている。
仮想通貨のマネーロンダリングのリスクは銀行以下と発表
2015年のものですが、イギリス財務省のマネーロンダリングに関するレポートによれば、ビットコインがマネーロンダリングに使われる可能性は銀行よりも低いという結果を政府が出している。下記事に書かれている理由もあるが、僕はビットコイン等の仮想通貨だと取引の記録が強制的に全て残る点にあると思う。
ビットコインでマネーロンダリングをした男性が逮捕
本題に入ろう。2017年7月26日。ビットコインで40億ドル超を資金洗浄したロシア人逮捕された。犯人はマウントゴックス事件にも関与していたということだ。
MTGOXのビットコイン消失事件の真犯人は昨日ギリシャで逮捕。やっとこの事件の事実が解明されます。
— Mark Karpeles (@MagicalTux) 2017年7月26日
これによりマウントゴックス事件にてビットコインを横領したとして逮捕されたMark Karpelesの無罪の可能性が高まってきた。
この資金洗浄の事件を見てどう思いましたか?恐らく、ビットコインなどの仮想通貨はやはり危険だと思った人も多いと思う。しかし僕は違う。この出来事でビットコイン等の仮想通貨で資金洗浄をしても最後は逮捕されるという認識が世の中に少し広がったと感じている。
仮想通貨がマネーロンダリングの温床と言われているが、現在のお金は大丈夫なのか?というとそうではなく、マネーロンダリング被害額のたった1%未満しか摘発できていないのが現状である。つまり、ろくに現在のお金のマネロンは逮捕もされていないのでニュースにすらならないのが現状である。
1989年にマネーロンダリングやテロ資金対策等における国際的な協調指導・協力推進を行う政府間機関としてFATF(Financial Action Task Force)が設立されているが、現在のマネーロンダリングの1%未満の摘発率が現状である。
今後、主流になっていく仮想通貨はブロックチェーンで全ての記録が残るので、今のお札などのように摘発率1%未満という数字にはまずならない。されたところで今回の犯人のように捕まる可能性が高い。むしろ摘発率を100%に近づけるためにより強固な対策を行なう必要がある。
世界で広がる仮想通貨のマネーロンダリング対策
ビットコインはマネーロンダリングが起こりにくい仕組みだが、実際に上のロシア人のように逮捕されたものの資金洗浄が起こったのも事実。世界では、仮想通貨のマネーロンダリング対策が着実に行なわれている。
EUはテロリストのマネーロンダリング対策として新たな規制強化を提言した。今回の提言でEUの委員会は規制範囲を定めるリストを作成、仮想通貨やプリペイドカードなどの電子マネーなどが対象となる。
チャック・グラスリー上院議員とダイアン・ファインスタイン上院議員は、5月25日、「Combatting Money Laundering, Terrorist Financing, and Counterfeiting Act of 2017」と題し、金融取引報告義務を仮想通貨取扱事業者やプリペイドカード取扱事業者に対し課すことを含めた法案を提出した。
ブロックチェーンの技術について
ビットコインが資金洗浄しにくい大きな点として、本日も述べましたが、ブロックチェーンという仕組みが大きな鍵になる。これは改ざんできないデータを誰でも確認でき、永久に取引記録が残る仕組み。
仮想通貨は実態がないので資金の移動は全てデータに残し、全て記録される。それを誰でも確認できることから、資金の移動先がわからなくなることはない。
ブロックチェーンは非常に重要な仕組みだが、説明すると本一冊の規模になる。そこで、よく説明されている書籍を紹介しよう。僕も使っている仮想通貨の取引所「コインチェック」の取締役の大塚さんの書籍となる。
初心者むけに書かれてあり、非常にわかりやすい。
暗号通貨はお金のイノベージョン。歴史を共に見届けよう。