2017年8月1日 21:20頃より「Bitcoin Cash」(BCC)に係るビットコインの分岐が起こる可能性が高くなっている。ところが、ビットコインの価値は上昇中だ。
- 現在のビットコインを取り巻く状況
- 2017年8月1日「Bitcoin Cash」に係る対応方針と一部機能の停止について~コインチェック~
- 入出金の停止について
- Bitcoin Cashを取り扱う場合の流れ
- BitcoinCashの返済義務について
現在のビットコインを取り巻く状況
だいぶ端折るが簡単に説明すると、
BIP91というものがロックインされ、ビットコインの性能をあげるSegwit2xというものがほぼ決定。ゆえにビットコインはもう大丈夫だと相場に安心感がでてきた状態が現在である。
しかし、ビットコインから新たにビットコインキャッシュ(BitcoinCash)というものが8月1日にできるといわれている。これは現在のビットコインの所持数と同じ数だけ分配される。
事実上の分裂ということであるが、ビットコイン相場は上昇中。ビットコインバブルは終わったといわれた前回暴落した34万円台まで追いつきそうな勢いである。(2017年7月22日19:00時点で309000円ほど)
2017年8月1日「Bitcoin Cash」に係る対応方針と一部機能の停止について~コインチェック~
ビットコインの分裂に備えて、国内ビットコイン出来高がNo1のコインチェックから次のような声明が発表された。
要約すると、「Bitcoin Cashの取り扱いについては弊社にて状況を判断後、対応を検討いたします。」という非常に曖昧な回答であった。
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2017年8月1日 21:20頃より「Bitcoin Cash」に係るビットコインの分岐が起こる可能性が高くなっております。「Bitcoin Cash(分岐後の新通貨)」への対応につきましては、弊社にて状況を確認後、改めて検討をさせていただく方針でございます。
本件は「Bitcoin Cash」に係る分岐についての対応方針であり、2017年7月23日に起こり得るビットコインの分岐についての対応とは無関係です。
2017年7月23日に起こり得るビットコインの分岐に対する方針は下記をご参照下さい。
2017年7月23日に起こり得る分岐に係る対応方針と一部機能の停止について:
https://coincheck.com/blog/4044
■BitcoinCashについて(英語サイト)
■分岐日時
日本時間2017年8月1日 21:20より前において最後のブロックが生成された時間
入出金の停止について
分裂時に発生し得るreplay attack等のリスクからご利用者様の資産を保護するため、下記停止日時において、ビットコインの入出金、また決済機能を一時停止といたします。
■停止日時
日本時間2017年8月1日 20:00
■影響のあるサービス
・Coincheck
・Coincheck Payment
■影響のある機能
・ビットコインの入出金
・決済機能
・Coincheck以外のウォレットからの送金(Coincheckウォレットでの受け取り)
・Coincheck以外のウォレットへの送金(Coincheckウォレットからの送金)
再開日時は未定でございますが、弊社にてご利用者様の資産が保護できることを確認した後、数時間〜数日にて再開を見込んでおります。
■詳細
上記停止日時以降、「Coincheck以外のウォレット」から「Coincheckウォレット」へのご入金を行わないよう、お願い申し上げます。万が一入金してしまった場合、残高への反映は入出金機能の再開後となります。
また上記停止日時以降、「Coincheckウォレット」から「Coincheck以外のウォレット」への送金は停止致します。
入出金 | ご利用について |
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Coincheck→Coincheck | 通常通り入金が可能 |
外部ウォレット→Coincheck | 上記停止日時以降、 入金しないようお願い申し上げます |
Coincheck→外部ウォレット | 上記停止日時以降停止 |
・Coincheckウォレット同士のビットコイン送金は可能です。
・Coincheckウォレット以外への出金を急ぐ場合、他の通貨のご利用をおすすめ致します。
Bitcoin Cashを取り扱う場合の流れ
BitcoinCashの取り扱いについては弊社にて状況を判断後、対応を検討いたします。取り扱いの対応を行う場合、以下の条件に当てはまる方には分岐日時において保有しているビットコインと同量のBitcoinCashを付与いたします。
・現物のビットコインを保有している
・「レバレッジ取引」でロングポジションを持っている
・「貸仮想通貨サービス」にてビットコインを貸し出している
一部のご利用者様はBitcoin Cashの返済の義務が発生いたします。詳細につきましては、下記「BitcoinCashの返済義務について」をご参照くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。
BitcoinCashの返済義務について
■対象
・分岐日時においてレバレッジ取引でショートポジションを持つご利用者様
・分岐日時において信用取引でビットコインを借りているご利用者様
■内容
・分岐日時において持っているショートポジション、また借入れているビットコインを加算した数量と同量のBitcoin Cashまたはそれ相当の他の通貨等の返済義務が発生いたします。
・Bitcoin Cashの返済時、返済するBitcoin Cashが不足する場合においてその他の通貨での返済を行う場合、Bitcoin Cashとその他の通貨間における変換レートは、弊社にて実勢レートを基に判断いたします。
・Bitcoin Cashの返済が完了するまで日本円、また貸想通貨の出金が不可となります。
・分岐日時より前に借入れているビットコインを全て返済し、ショートポジションの決済注文を約定した場合、出金は停止されません。
大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解ご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。またビットコインの分岐に際し、価格が急変動するリスクが高まります。お取引の際は十分ご注意くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。
2017年8月1日「Bitcoin Cash」に係る対応方針と一部機能の停止について | coincheck(コインチェック)
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ビットコインが分裂してもビットコインの価格が上昇し続けている理由
このようにビットコインキャッシュ(BCC)という分裂危機にも関わらず、相場が上昇しているのは以下のような理由が考えられる。
・BCCをもらうため
BCCは現在のビットコインの保有数と同枚数だけ配布される。したがって、このBCCを欲しいものがビットコインを購入していると思われる。ビットコインをもっているだけで8月1日にBCCももらえるならビットコインを買っておこうという魂胆である。
・BCCとビットコインは別物
簡単に説明すると、ビットコインとBCCは別物だと考えてよい。BCCができたからといって、今のビットコインに技術的な悪影響はほぼない。従って、新しいコインが増えるだけなので、BIP91がロックインされ、ビットコインの性能がほぼ上がることが決まった現在、市場は危機を抜けた安堵感もあり、価値が上昇するのは当然である。
8月1日以降の注意点
BCC配布後、ビットコインから他のアルトコインや日本円やドルなどのFiat通貨に資金が戻る可能性があり、一時的にビットコインの価値が下落する可能性がある。現段階から8月1日までビットコインの価値が大幅に上昇するなら、その下落の可能性も大きいと思う。気をつけて欲しい。
個人ウォレットにビットコインを置いておいてBCCはもらえるの?
疑問に思ったので調べてみたところ、分裂するということで、自分管理のウォレットなら勝手に分裂しているとのこと。つまり、個人ウォレットにビットコインを置いておけばBCCはもらえる。他人管理のウォレットならその管理者次第になる。個人的には取引所にビットコインを置いておくよりは確実だと思う。
BCCをもらうには、
・個人ウォレットにビットコインを置いておく
・ビットフライヤーなどのBCCに対応する取引所にビットコインを置いておく
取引所は、その取引所の方針次第でもらえない可能性もある。「Bitcoin Cash」が欲しいのであれば、https://bitflyer.jp/pub/announcement-regarding-august-fork.pdfに記載があるように、2つのコインを付与するとあるビットフライヤーにビットコインを預けておくか、個人ウォレットにビットコインを置いておいた方が良い。コインチェックでもBCCはもらえるかもしれないが、記事を読むと「対応を検討中」ということで未だにはっきりとしていない。
米コインベースのようにBCCを取り扱わない取引所もある。各取引所の声明(お知らせ)を良く見て欲しい。
Update on upcoming Bitcoin User Activated Soft Fork (UASF) pic.twitter.com/IBlu2nTO2F
— Coinbase (@coinbase) 2017年7月15日
↑翻訳:ブロックサイズを増やすためにUAHFを8月1日に有効にすると、現在のビットコインルールセットと互換性がなく、別のブロックチェーンが作成されるため、Coinbaseは新しいブロックチェーンまたは関連するコインをサポートできない。UAHF硬貨へのアクセスを希望する顧客は、7月31日までにコインベースからビットコインを回収する必要がある。現在、追加のブロックチェーンをサポートする計画はないが、引き続きUAHFの開発状況を監視する。
BCCとは?
分裂するビットコインに関しては以下のページで確認して欲しい。
性能はビットコインとあまり変わらない。ビットコインの政治的な対立で生まれた新たなコインといった方がわかりやすい。ビットコインは価値を上げすぎた。大きくなると権力を握るため、揉め事が起こるのは、まるで会社やバンドメンバーのようである。初期の志はどこにいったのであろうか?
ただ、今回のビットコイン分裂問題も収束しそうでほっとしている。最終的にはさらに大きくなったビットコインと国家との争いが来ると思っている。なぜなら、国家は法律では認めたものの金がビットコインに移る現状を快くは思っていないだろう。ビットコイン等により、金銭を支配できなくなった国家が威厳を保てるはずはなく、必ず新たな壁となってくるだろう。
暗号通貨はお金のイノベージョン。歴史を共に見届けよう。