「Zen」トークンの発行が、2017年7月5日午前9時から開始されたと一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)にて発表された。
Zenとは?
一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)のブログによると、「日本円に対して為替が安定した仮想通貨を志向した デジタルトークン社会実験において「Zen」の発行を開始」というタイトルで以下のように記載されている。
一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は、日本円との為替が安定して運用されることで、将来的に実ビジネスでの使用に耐えうる仮想通貨とすることを企図した、ブロックチェーンにより実装されたデジタルトークンの社会実験において「Zen」の発行が2017年7月5日午前9時から開始されたことを発表します。
参加取引所の準備に想定以上の時間を要したため「Zen」の発行が当初予定から遅延しましたが、本日、本社会実験参加の第1号取引所としてテックビューロ社の「Zaif」での発行が可能となりました。
Zenは、「対日本円為替レートが安定的に推移」する仮想通貨といえる。主な特徴をざっくりと記載してみよう。
・ZenはBCCCが発行主体となり、時価1円に相当するビットコインなどの仮想通貨に対して「1Zen」を発行。
・BCCCが1Zen=1円で売買することを確約することで価格を安定させる。
・Zenの発行は価格を安定させるためにBCCCが無限に発行する。BCCCが再取得したZenは原則、消却処理を行うとしている。
・Zen⇒円、円⇒Zenにも交換できる。
なお、名前の由来は「Yen」(円)の一歩先をいくという意味で「Zen」(ゼン)と名づけられた。(Y⇒Z)
Zenがつくられた背景
仮想通貨「Zen」がつくられた背景は、日本円に対し、為替が安定した仮想通貨をつくるため。
ビットコインなどの仮想通貨の価格は、対円で日々変化をしている。日に10%以上動いた例もあり、円に対して非常に上下が激しいのが現状である。例えば、時価総額1位のビットコインでも1日で1BTC34万⇒23万などと変動することもあった。
そこで、「Zen」は、日本円との為替が安定して運用されることで将来的に実ビジネスでの使用に耐えうる仮想通貨とすることを目的につくられた。Zenの大きな特徴としてBCCCが1Zen=1円で買取をしてくれる点にある。
例えば、売上げが●●BTCを、ある時、全てZenに交換するとしよう。●●BTC=10億Zenに替えたとする。すると、この変換した10億ZenはいつでもBCCCによって10億円になる。これは1ビットコインがいくらになっていても必ず1Zen=1円で交換できるというものである。つまり、Zenを所持することで、1Zen=1円の安定した円が得られるようになる。
これは、将来的に企業がビットコインを取り扱った場合に役立つだろう。例えば、決算発表前など、ビットコイン等の仮想通貨は大きく価格が変動しているため日本円で正確な数値が発表しくにい。そのため決算発表時に「今期の売上げは昨日のビットコインの相場だと10億円だったはずが、今日は8億円になっていました。」となるケースも相場次第では考えられる。こんな時に事前にZenに替えておけば、1円=1Zenに交換できる。10億Zenなら「今期の売上げは10億円です!」とビットコインの現在の価格にかかわらず正確な数字が発表ができる。
第1号取引所としてZaifにて「Zen」発行開始!
参加取引所の準備に想定以上の時間を要したため「Zen」の発行が当初予定から遅延しましたが、本日、本社会実験参加の第1号取引所としてテックビューロ社の「Zaif」での発行が可能となりました。引き続き、他の仮想通貨取引所も仮想通貨取引業者登録の準備が整い次第「Zen」の発行を行い、「Zen」の取引が可能となります。「Zen」の発行主体はBCCCで、BCCCの業務委託を受けた各参加取引所が発行依頼者に「Zen」の発行を実施することとなります。
なお、「Zen」の発行は予定よりも遅延したものの、本社会実験フェーズ1の期間は、当初計画通り9月30日までの予定です。
BCCC公式ページによると、Zaifで9月30日まで試験的に実験的に発行される。
仮想通貨取引所であるZaifを運営しているテックビューロ株式会社代表取締役である朝山貴生氏は,一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)の副代表理事でもある。
Zen1円以上にこんなに買いが。。MUFGコインみたいに価格が1円固定ってわけでないんだ😳
— ふうか ·ᴥ·仮想通貨な女子大生·ᴥ· (@huuka_u_u) 2017年7月5日
“BCCCが1Zen=1円で買い取ることを確約しているものの、Zen自体が必ずしも1円に固定されるわけではない” pic.twitter.com/AA83YOWKtz
BCCCが1Zen=1円で買い取ることを確約しているものの、 Zen購入時には相場は変化する。今は対円だけの実験的導入だが、将来的にはZen/BTCなども考えられ、相場は変動する。
Zenチャート
↑7月6日、Zaifにてチャートは存在していた。
明らかにおかしいチャートであった。そもそもBCCCで1Zen=1円に交換できるので最低でも1円以上。円にした際の税金を考えると1.5円辺りで推移していくのだろうか?
↓「Zen」トークン取り扱いのZaifはこちら
最後に
上記事にもある三菱東京UFJ「独自仮想通貨」MUFGコインと似ている気がするが、仮想通貨の相場にかかわらず安定して日本円に交換できるのは、特に企業にとっては良いと思う。ビットコイン等の仮想通貨は相場の変動が激しく、使えない。という風潮を一蹴するものだと思う。
Zen発行に伴い、システムのインフォテリアの株価が5日ストップ高になった。本日の7月6日は落ち着いてきたが、期待の高さを垣間見ることができた。
BCCC会員企業 | BCCC - ブロックチェーン推進協会の加入会社。インフォテリア含め、BCCCの関連企業はざっとみて100社以上ある。
対日本円為替レートが安定的に推移する「Zen」などのような仮想通貨が浸透すれば、仮想通貨は相場が変動して使えないということもなくなり、仮想通貨をつかってみようと思う企業がより増える可能性が高い。
暗号通貨はお金のイノベージョン。歴史を共に見届けよう。